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Insight

2026/07/23
調査

早期化する子どものメイク、Instagramの投稿からリアルを探る!

※この記事は『ampule magazine vol.16』で実施した調査に、誌面で掲載しきれなかった分析内容を追加して編集したものです。

SNSを通じて新たな文化が広がりつつある、現代のキッズメイク事情とは?

キッズメイクに関するInstagramの投稿データを徹底分析し、今どきのリアルな実態を探りました。


[ 調査概要 ]キッズメイクに関するハッシュタグが付いた投稿データを収集し、マルチモーダルAIを用いて画像・動画などの視覚情報を含む投稿内容の情報を分析。対象プラットフォーム:Instagram/対象ハッシュタグ:#キッズメイク#スクールメイク#学生メイク#キッズコスメ#学校メイク#メイクごっこ#小学生メイク#子供メイク#中学生メイク#高校生メイク#スクールコスメ対象期間:2021年1月1日~2026年2月20日/収集データ数(AI解析対象):22,550件/有効分析対象数(AIの分析結果をもとに美容に無関係な投稿は除外):21,263件

低年齢層の投稿が増加

投稿数の推移

過去約5年間の投稿数の推移を見ると、キッズメイクに関する投稿は近年増加傾向にあることがわかります。

この5年で全体の投稿数は約2倍に増加。年齢別に見ると、未就学児と小学生の投稿がとくに増加しており、2023年には中高生が半数以上(57.7%)を占めていたのに対し、2025年は割合が逆転(未就学&小学生:66.1%、中高生:30.8%)しています。

未就学&小学生の投稿においては、とくに撮影スタジオや玩具ブランドなどのビジネスアカウントの投稿が急増(2021年:549件、2025年:1,846件)。この結果は、SNSを利用したマーケティングの新たな潮流を反映しており、ビジネスアカウントによる発信が、低年齢層向けのキッズコスメ市場の盛り上がりを後押ししている可能性がうかがえます。

最多カテゴリはポイントメイク

※過去2年分のデータを分析

投稿主体は家族や企業・店舗など、本人以外が大半を占めますが、小学校高学年期から徐々に本人の意向を反映した内容の投稿も増加します。幼児期や低学年期は、七五三や発表会、ハロウィン、ダンスイベントなど、非日常的な「遊び」や「イベント」の一部としてメイクを扱うことが多いですが、成長とともに、メイクが「遊び」から「自己表現の手段」へと変化していくことで、より本人の意思が投稿内容にも反映されやすくなるのではないかと考えられます。

カテゴリとしては、リップやアイシャドウなどのポイントメイクが31%と最多。肌への刺激を気にする保護者の意識も背景に、手軽に楽しめてカラー展開も豊富なポイントメイクが選ばれやすいようです。ちなみに、分析精度への影響から今回の対象には含めませんでしたが、ネイルについては別途、「#キッズネイル」の投稿が11.4万件(2026年3月時点)あるほどたくさん投稿されています。

また、近年SNSではショート動画の投稿形式が主流となりつつありますが、キッズメイクにおいては複数枚の静止画を用いたカルーセル投稿が全体の63%を占める結果となりました。より多くの情報量を提示しやすく、メイクの過程や変化を視覚的に伝えやすいこと、記録や投稿のしやすさなどから、カルーセル投稿が好まれているものと思われます。

未就学児

豊富なラインナップでおしゃれ心を満たすキッズ向けコスメ

ブランドTOP3
1位 Peachand
2位 SHOBIDO
3位 Little Bling

アイテムTOP3
1位 リップ
2位 美容ツール(おもちゃ、雑貨含む)
3位 アイシャドウ




未就学児の投稿では、キッズ用として、安全性に配慮して開発されたコスメブランドやアイテムが多く見られました。こうした特徴は、保護者が「子どもにも安心して使わせられる」と感じるうえで、大切なポイントになっていると考えられます。

また、キャラクターとコラボした商品や、キラキラしたデザインを取り入れたアイテムも多く見られました。未就学児にとってのメイクは、大人のようにきれいに見せるためというよりも、「ごっこ遊び」や「おしゃれ遊び」に近いものとして楽しまれており、プリンセスごっこや、ママのまねをする遊びの延長として、メイクが取り入れられているケースが多いようです。実用的な化粧品というよりも、玩具・雑貨・キャラクターグッズに近い見た目で展開されていることで、保護者にとっても子どもにとっても、「化粧をする」という行為のハードルが下がるのではないかと考えられます。

保護者のまなざしを通した投稿

未就学児に関する投稿は、本人ではなく保護者が主体となるケースが多いため、投稿内容にも保護者の価値観が強く反映されていると考えられます。

投稿内容も、子ども本人が自分をどう見せたいかを考えているというより、保護者が「かわいい姿を残したい」「親子で楽しんだ様子を共有したい」といった気持ちで投稿しているケースが多く、親子の体験や成長記録としての意味合いが強いと言えそうです。

幼いころから「かわいくなること」や「おしゃれをすること」が楽しいこと、価値のあることとして伝わっていることで、キッズメイクは遊びであると同時に、子どもが美容やおしゃれの文化に早くから触れるきっかけにもなっていると考えられます。

小学生

評価意識の高まりとともに自己表現のためのメイクへとシフト

ごっこ遊びや大人の真似ごとが中心の未就学期と比較すると、小学生期は自己肯定感のアップや印象向上を目的としたメイクが中心になってきます。

自己意識が高まり、周囲の影響も大きく受けやすい時期であることから、自分の見た目や他人からの評価を意識するようになり、メイクを自己表現の手段として捉えるようになります。

投稿内容も、親目線のものから、徐々に本人の自発性が感じられるものへと変化し、高学年になってくると第三者ではなく本人の意見を反映した投稿も増えてきます。

友人・SNS・メディアから広がるメイク意識

小学生期は低学年から高学年にかけて、メイクの意味が段階的に変化していく時期でもあります。低学年では未就学児と同様に、遊びやイベントの一部として楽しまれる傾向が残っていますが、高学年になるにつれて、友人関係やSNS、動画コンテンツ、インフルエンサーなどの影響を受けながら、「自分をどう見せたいか」を意識したメイクへと変化していきます。

メイクは自己肯定感を高めたり、自分らしさを表現したりする手段になる一方で、他人からの評価や外見への意識を強めるきっかけにもなり得ます。小学生期のキッズメイク投稿は、子ども自身の希望や好みが少しずつ表れ始めるとともに、友人関係やSNS、流行などの影響を受けながら、メイクが身近な自己表現のひとつになっていく様子を示していると考えられます。

中高生

重きを置くのはベースメイク。自己表現や印象管理がより顕著に

思春期特有の肌トラブルや悩みが生じやすい中高生期のメイク投稿では、メイクとスキンケアの境界が曖昧になる点も特徴です。ニキビや皮脂、日焼けなどの肌悩みが出やすい時期であるため、単に華やかに見せるメイクだけでなく、肌をきれいに見せる、清潔感を出す、すっぴん風に整えるといった目的の投稿も多く、特に日焼け止めや下地などのベースメイクに関する投稿が多く見られました。

また、自己表現や印象管理の手段としてメイクを行うようになることから、ベースメイクを入り口として、多様なメイクを楽しむようになることがうかがえます。

校則の制約下で広がる“バレないメイク”と情報共有

校則でメイクを禁止している学校も少なくないことから、中高生期のメイク投稿は、バレずに可愛く盛れるスクールメイクに関する投稿が主軸になっています。また、メディアやSNSの影響を受け、トレンドのメイクやアイテムも重視される傾向にありました。

さらに、投稿主体も本人へと移行し、使用感レビューやおすすめコスメ紹介、スクールメイクの方法など、同年代に向けた情報共有型の投稿が増える傾向があります。中高生のメイクは、校則や周囲の目を意識しながらも、自分らしさや可愛さを表現するための手段として位置づけられていると考えられます。

3歳から始まった、娘たちのおしゃれ心

顔写真
秋枝未来
みゆ(13歳) レミ(8歳)

3、4歳のころにはメイクに興味を持ち始めた娘たち。私がコスメ好きということもあり、興味を持つのは早かったです。

安心して使えるキッズ用のコスメボックスや低刺激のコスメは、2人が小さいころからそれぞれに購入。長女は自分のお小遣いで一通りのメイク道具を揃えており、いつの間にやらその数は100個超え! バラエティショップに一緒に買いに行くこともあります。

学校に出かける前にも、ヘアアイロンでセットしたり、朝の準備にしっかり時間をかけていたりと大人顔負けでびっくりしますが、今は休日にナチュラルなメイクを楽しんでいる感じなので微笑ましく見守っています。そんなお姉ちゃんを見て、次女もお休みの日にはグロスを塗ったりしています。

小さい頃からメイクを楽しむ気持ちがあり、嬉しく思っています。

小さなメイク好きが、毎日のケアまで楽しむように

顔写真
立花ゆうり
NAYU(11歳)

コスメにふれたのは0歳。よほど興味があったのか、ふと目を離したすきに私のメイクポーチから勝手に赤い口紅を取り出して壁にぬりぬりしていてびっくり!

本格的なメイクデビューは1歳です。ピンクのリップを唇に塗り始め、パレットを広げて自由にメイクを楽しむ姿を見て、「これは将来メイク好きになるに違いない」と確信しました。

今は、平日は日焼け止めとポイントメイクのみの放課後メイク、休日はちょっと気合いを入れたメイクを楽しんでいます。注意点を伝えたうえで、本人もしっかりケアをしながら楽しんでいるので、今のところ肌トラブルもなし。毎日の日焼け止め、朝パックをかかさずにしていたり、ヘアオイルとハンドクリームでしっかり毎日ケアしているので感心します。友だちとも流行りのコスメについて話したりしているようです。

メイクをすることで気持ちも前向きに明るくなっているので、とてもいい経験になっているなと思います。






分析・文/金子麻衣
データ収集・解析/渡部隼人

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