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40代で美容に目覚めた作家・爪切男さんによる新連載がスタート!
ワークショップや工場見学など、全国各地の美容にまつわるスポットに爪さん自ら出向き、体験してレポートします。
※この記事は『AMPULE MAGAZINE Vol.16』に掲載した記事をWEB用に再編集したものです。
作家。1979年、香川県生まれ。2018年に作家デビュー。エッセイ『午前三時の化粧水』を2025年3月に刊行。最新作の『愛がぼろぼろ』は、自身初の創作小説。

記念すべき連載初回に訪れたのは、東京都台東区蔵前のkako〈家香〉。
kako〈家香〉は、ブレンドエッセンシャルオイルを組み合わせ、自分自身の好みにカスタマイズした「家の香り(=ホームフレグランス)」をつくれる場所。香りのレシピは保管され、何度でも同じ香りのアイテムをリピートできる。爪さんはルームフレグランススプレーづくりにチャレンジ!

kakoオリジナルのブレンドエッセンシャルオイルは全部で12種類。ローズやイランイラン、ヒノキベースなど、バリエーションが豊富。

トップノート・トップミドルノート・ミドルベースノート・ベースノートにカテゴライズされた4つのグループから、1種類ずつ香りを選ぶ。

オイルを1~5滴の間でブレンド。爪さんはマンダリンなどの柑橘系をベースに、ユーカリ、カモミール、フランキンセンスのニュアンスをプラス。

調香中、爪さんはお店の外に出て嗅覚をリセット。店内で嗅ぐ香りとまた違った印象に。kako〈家香〉の外観もおしゃれ。

グラスを使って香りを確かめ、オイルの量を調整し、お気に入りの比率を見つける。「爪さんは慎重派ですね」とはkako〈家香〉スタッフの弁。

オーダーシートに比率を記載した後、調香した香りのルームフレグランススプレーをその場でつくってもらえる。約30分で完成!

スプレーをつくってもらう間、OSAJIのシートマスクや美容液について説明を受けた爪さん。シートマスクが特に気になっていた模様。テスターもあり、使用感を試せる。

爪さんのコメント:
「シンプルなデザインで妻と一緒に使えそう。どこかほっとする香りになりました」
四十を過ぎた今、気になるのは自分の加齢臭ばかり。周りに不快を与えぬよう、静かに気を配り続ける日々。そんな私が、世界にひとつだけのホームフレグランスを調香する。うまくできるのか。その不安は杞憂に終わる。
甘さだけではない、酸味とほろ苦さを含んだマンダリン。フルーティなカクテルを好む自分の嗜好にピッタリだ。妻が大好きなユーカリを加えると、生活に溶け込んだその香りが心を落ち着かせる。そしてフランキンセンス。イエス・キリストの誕生にまつわる香りと聞いた瞬間、抗えない興味に導かれて選んでしまう。さらにカモミールを重ね、香りはひとつにまとまり、輪郭の曖昧だった「私」が、少しずつ立ち上がってくる。
やがて出来上がったのは、やわらかいだけでなく、どこか異国めいた、それでいて確かに自分好みの香り。不思議だ。調香を楽しんでいたはずなのに、いつの間にか自分の人生を辿り直していたような気分だ。点だった記憶がつながり、一本の線になる。もしかして香りって、記憶よりも正直なのかもしれない。
住所: 〒111-0051 東京都台東区蔵前4-20-12 精華ビル1階
メニュー: 「ルームフレグランススプレーコース」(調香体験代と100mLのスプレーがセットで¥5,500)
所要時間: 調香時間は約60分、アイテム製作時間は約30分。
予約: 事前にホームページから予約を(空席がある場合は、当日案内も可能)。
緊張気味から次第に表情が和らいだ現場にて
連載初回の撮影とあって最初は緊張気味の爪さんでしたが、12種類のブレンドエッセンシャルオイルの香りを試していくうちに、みるみる表情が柔らかくなっていきました。香りのリラックス効果は絶大ですね。
フランキンセンスの歴史に興味津々な様子
中でも、スタッフから教わったフランキンセンス(和名:乳香)の歴史には興味津々の様子。イエス・キリスト誕生の際、東方の三賢人が黄金・没薬(もつやく)とともにフランキンセンスを捧げたという逸話が新約聖書に記されていると聞き、「おお、イエス・キリストの香り! これはルームフレグランススプレーにブレンドしたい!」とこの日一番の盛り上がりを見せていました。
いつか一緒に訪れたい「お匙 京都」(写真提供:OSAJI)
2026年4月には、京都にグローバルコンセプトストア「お匙 京都」がオープンしています。酒蔵として使われていた登録有形文化財の京町家で、オリジナルの香りの線香づくりを体験できるそうです。いつか、こちらも爪さんと一緒に取材にお伺いできればと考えています。
写真/資人導
取材・文/せきねみき