Insight
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
早いもので2024年も幕を閉じ、2025年がスタートしておりますね!
2024年を振り返ってみると、亜熱帯コスメやネオパリジェンヌなど時流や気候の変化に合わせたトレンドが多くあったように感じます。
2024年も様々なトレンド調査・発信を行ってきたampuleですが、年内最後のイベントとして、アプリダウンロード数300万以上を誇る韓国最大級のコスメ・美容総合サイト「GLOWPICK」の運営や化粧品ブランドのプロモーション支援、化粧品小売店の仕入れ支援などを行っている「Glowdayz」 と共に、『日韓トレンド予測発表会2025』を2024年12月12日に開催しました。
2025年はどんなトレンドが来るのでしょうか?
来場者の100%が『満足』とアンケートで回答した『日韓美容トレンド予測2025発表会』の内容をイベントレポートにて徹底解説させていただきます!
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
⚫︎日韓美容トレンド予測2025 <日本編>
まずは『ampule magazine』編集長の飯田より日本のトレンド予測&注目の美容トレンドキーワードを徹底解説!
◾️『SHOGUN美容』
―日本由来の成分や、日本らしいブランドに注目―
日本の戦国時代を舞台としたドラマ『SHOGUN 将軍』が「第76回エミー賞」で史上最多となる18部門を受賞したことが大きな話題になったり、コロナ後のインバウンドの影響で消費額が過去最高を突破する勢いで推移しているほか、日本の「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産への登録が決定するなど、世界から日本への注目度が高まっていると言えます。その流れは化粧品にも波及し、日本由来の成分や日本らしいブランドに注目が集まる予感。
特に、『発酵』をテーマにしたスキンケアアイテムは、中国だけではなく最近では韓国の方にも注目を集めており、日本の発酵技術や古代黒米に着目したスキンケアブランド「FAS」が様々な雑誌でベストコスメに選出される他、酒粕のエキスを使用したスキンケアパックやユーグレナ発酵エキスを使用したスキンケアなども登場しており『発酵コスメ・スキンケア』への注目が今後も期待されています。
◾️『キッズコスメ』
―美容の低年齢化はさらに進行―
スマホやSNSの普及によって子どもが美容情報に触れる機会が増加傾向。そんな中で「子どもに化粧は必要ない」と突き放すのではなく「安全で楽しい美容への向き合い方」を子どもに提示してあげるためのコンテンツが生まれています。12月には、人気メイクアップアーティストのイガリシノブさんが、小学生向けのメイク本を出版されるなど、美容情報に触れる機会が急激に増えた子ども世代に対して親世代のみならず、美容業界全体で向き合っていく流れが強まっていくと考えられます。
その流れを裏付けるように、ampuleが独自調査で15歳以下の子供をもつ親を対象に「中学生以下の子どものメイクについてどう思いますか?」というアンケートを実施したところ、『安全性』といった面には最大限気をつけていく必要はありながらも、「メイクを早くから学ぶべき」と回答する人は約3人に1人、「周りの目が気にならない」と回答する人は約9割に及ぶという結果がでました。この結果からお子さまのメイクに対して意識が変わってきている傾向にあることがわかります。
最近では、低価格帯で可愛らしい見た目で購入できるキッズ向けのコスメアイテムをリリースするブランドや企業も増えてきており、今後若年層向けのマーケティングを強化する企業も続々と出てくることが予想されます。
◾️『ドラッグストア革命』
―成分重視の品揃えやPBが増加―
化粧品の中身にこだわった商品展開に力を入れるドラッグストアが増加しており、韓国コスメに負けない勢いで国産の高機能成分配合アイテムの取り扱いが増えています。6月には、ウエルシア薬局の新プライベートブランド「IT’S WHAT’S INSIDE THAT MATTERS.」が発売。10月には、成分美容時代の「迷わず使えるスキンケア」がコンセプトの「SHIMBI METHOD」が全国のドラッグストアで取り扱いを開始するなど、高品質なアイテムが気軽にドラッグストアで手に入るように。
美容感度が高い層の中での「成分買い」ブームが身近なドラッグストアまで波及した結果であるとも考えられ、日本の美容リテラシー向上にもつながると考えられます。
ampule独自調査では、7割近くの方が「成分が決め手でスキンケアを購入したことがある」と回答しており、その理由として「自分の肌にあっているから」と答える人が約半数と、成分を意識してスキンケアを選ぶ人の多さが明らかになりました。
また、「スキンケア商品の配合成分の中で、知っているもの」についてアンケートを実施したところレチノールが8位にランクイン。ここ数年でレチノールが配合されている商品が増加したことで、生活者・消費者にとって身近なものになってきていることも分かります。
その背景には、最新のトレンド成分を配合したドラッグストアのプライベートブランドが増加したことや、トレンド成分を高配合で処方したプチプラコスメが台頭していることなどがあげられます。
高品質なスキンケアがドラッグストアで手軽に購入できることが当たり前になる時代が来ることも予想されます。
◾️『防災コスメ』
―防災意識の高まりは、美容アイテムにも波及―
1月の能登半島地震や8月の南海トラフ地震臨時情報、避難地域での豪雨など、自然災害にまつわるニュースが多かった2024年。「命を守る」のはもちろんのこと「生活を守る」重要性が周知されたことで、避難先や災害時も想定した「防災コスメ」に注目が集まると予想されます。手軽にリフレッシュできるドライシャンプーや、コンパクト化・シート化したケアアイテムは、緊急時のみならず夏場の通勤やキャンプなど活用範囲が幅広いのもポイント。災害が多い日本だからこそのアイディアやイノベーションがこのジャンルで生まれる可能性も高そうです。
日常×水無し衛生ケアをベースに、「いつどこで何があるかわからない」という文脈で『#防災ポーチづくり』作りがSNSでも話題となりました。どこにでも持ち運べるというコンパクト化が進んだ防災コスメグッズも増加傾向にあり、ドライシャンプーや歯磨き粉もシート型になるなど形状の変化にも注目です。
⚫︎日韓美容トレンド予測2025 <韓国編>
続いて、『GLOWPICK』編集長のイ・ウンギョンさんより韓国のトレンド予測&注目の美容トレンドキーワードを徹底解説します!
◾️『スマートステップ美容』
―複合機能アイテムで日々の美容ステップを縮小―
近年、韓国でも記録的な猛暑が続いています。そんな中で、化粧崩れを防ぐことへの限界を感じる生活者が増加。崩れを防ぐことよりも、必要不可欠なケアを最小限のステップで実現し、重ね塗りを減らせるアイテムのニーズが高まっています。韓国全体のトレンドが「ナチュラルメイク」にシフトしていることも、複合機能アイテムの流行を後押し。
中でも日焼け止め領域が大きく拡大し、スキンケアだけでなくメイクアップやボディケア・ヘアケアとの複合機能アイテムが増加すると予想されます。
ロングラスティングではなく、今年の注目ワードは『#省く』。
単純にベースメイクを軽くするという考え方ではなく、スキンケアとベースとのステップとステップの間を統合・包括して行えるような「デイクリーム」にも注目。韓国ではこれまで注目されていなかった「デイクリーム」ですが、今後はその概念もアップデートされて需要が高まることが予想されます。
◾️『セルフカスタムコスメ』
―色やテクスチャをユーザー自身がカスタム―
ここ数年続いてきた「パーソナルカラー」を軸としたコスメの選び方が変わりつつあります。それを象徴するトレンドワードが「追求美」。「自分に合う色」よりも「自分がなりたいイメージ」を追求しようというムーブメントが表れた言葉です。それに伴い、ユーザー自身がミックスして使用することを前提とした色やテクスチャのアイテムが流行の兆し。一人ひとりが理想に近づくためのカスタマイズを見つけることができる「セルフカスタムコスメ」は、今後のスタンダードになるかもしれません。
2024年にはシングルアイシャドウが「カスタムコスメ」の観点で人気でしたが、今年はチーク・リップなど様々なカテゴリーに拡張していくことが予想されます。より細分化されたカラーやテクスチャーを直接キュレーションできるようなやり方で進化していくことが期待されます。
スキンケアにおいては、自分好みに成分と他の成分を組み合わせて使用するといったこともセルフカスタムコスメの流れに当てはまります。例えば2024年韓国で注目の成分であったPDRNにヒアルロン酸をカスタムして使うのが良いとSNSで話題となったように、ベストな組み合わせやルーティンを生み出すことでバズを生み出し、その流れが市場を作っていくと予想しています。
◾️『新感覚テクスチャ』
―今までにないテクスチャや色味のアイテムが登場ー
使用感の良さだけでなく、香りや触り心地、見た目など、立体的な面白さや楽しさがある商品が増えつつあります。ぷにっと弾力のあるリップチークや、ホイップクリームのような見た目の洗顔料がその代表例です。これらのアイテムは、今までにない使い心地や気分の高まりを与えてくれるだけでなく、SNSでの写真映えや拡散性の高さも強み。競争の激しい韓国美容業界での、有効なブランディング要素ともなっています。
『#五感満足』がキーワードに!
使うのが楽しくなる、五感で楽しむことができるようなアイテムがスキンケア、メイクアップ商品、ヘア、ボディなどビューティーカテゴリー全般で多様に拡張されていくことが予想されております。製品が良いことは当たり前の今、韓国ではオブジェやファッションアイテムのような見た目のコスメアイテムなども増えてきており、「製品」以上に満足を求めるニーズが、競争力を強化する要素として作用していくことも予想されます。
◾️『進化系マルチケア成分』
―流行の高機能成分が様々なケア製品に配合―
「成分重視」のトレンドが続く韓国。2024年はレチノールやPDRNといった成分がトレンドとなりましたが、2025年は「ペプチド」に注目です。様々な種類があるペプチドは顔だけでなく、ボディ全体やインナービューティーにも活用ができるマルチさが魅力。
一部の研究者やメーカーの間でも来年のトレンド成分と囁かれており、ペプチドと相性の良い成分を配合したアイテムも多く発売される予感。
『ampule magazine』編集長の飯田は「K-BeautyとJ-Beauty、両方のトレンドをチェックすることが重要」と話します。その理由として、この5年で、K-Beautyのトレンドが日本に輸入されるスピードが年々早まってきていることが挙げられます。現在、トレンド成分やメイクトレンドが韓国で登場してから日本に上陸するまでの時間は約半年。J-Beautyはそのトレンドを元に「ドラッグストア革命」のような独自の形でトレンド化していくこともあれば、日本独自のカルチャーや特産物を使用してSHOGUN美容のような形で海外(インバウンド)へ発信するなど、様々な形で発展させるブランドが目立ってきています。日韓両方のトレンドをしっかりと見て、どのような相乗効果を発揮していくのかを考えることが、美容マーケティングを考えるうえでは大切です。
今回日韓共同でトレンド予測を出しましたが、今後もK-BeautyとJ-Beauty両軸をしっかりと見つめていきながら様々なトレンドを発信していきたいと思いますので、ampuleとGlowdayz社の活動に期待していてください。
最後に、「日韓美容トレンド予測2025発表会」を徹底レポートさせていただきましたが、この記事を読んでくださった方にとって何か一つでも有益な情報があったら嬉しいです!
ご清覧いただきましてありがとうございました。
皆さまにとって素敵な2025年になりますように!