Insight
グローバルな視点から見たとき、日本のビューティーブランドはどのように映っているのでしょうか。
どんな商品が特に人気なのか、本当はもっと何がほしいと思っているのか——そんな海外ユーザーの本音が垣間見える交流&座談会イベントが2025年11月9日、「J-beauty Hunt」の主催で開かれました。
当日は、コミュニティ会員のうち4名が参加。J-beautyについてのリアルな意見交換も盛り上がりましたので、その様子をレポートします。

今回の交流&座談会イベントを企画した「J-beauty Hunt」は、InstagramやTikTokといったSNSでの情報発信などを通じて、日本のビューティーブランドを世界に広めるための活動を行っています。
その活動をさらに強化するため、海外に向けて日本の情報を発信しているクリエイターに参加してもらう新プロジェクトがスタート。日本国外のフォロワーを多く抱える彼女たちを通じて、J-beautyの魅力をより深く、ストレートにグローバルへ届けるのが狙いです。
そんなプロジェクトのキックオフも兼ねた今回のイベントのコンセプトは、ずばり“お茶会”。東京・新宿のビル内に用意された和室スタイルの会場で、抹茶ドリンクや和菓子を楽しみつつ、リラックスした雰囲気の中で行われました。
進行役として「J-beauty Hunt」のスタッフも加わり、まずはそれぞれのお気に入りの日本コスメを見せ合いつつ、簡単に自己紹介。

机の上には、イベントに合わせて「J-beauty Hunt」がセレクトした日本の商品、日焼け止め、化粧水、フェイスクリーム、洗い流しパック、アイシャドウ、アイライナーなどの幅広いアイテムがずらり。スタッフが、商品のポイントを1つずつ説明していきます。

「ほかのシリーズよりも保湿力に特化した化粧水なので、乾燥肌の人におすすめです」
「話題の美容成分がデイリーに使えるよう開発された、まだ新しいけど注目のブランドです」
さらには、そのメーカーの特徴や技術的な強みなど、商品のバックグラウンド情報にも話題は及び、参加者たちは興味津々。その場で実際に手に塗って試しながら、「このアイシャドウパレットは発色もラメもきれい!」「このUVケアクリームは、白浮きしないところが良いですね」など、さまざまな感想が寄せられました。
普段からJ-beautyに興味を持っているメンバーだけに、この商品は知っている、使ったことがある、といったコメントが聞かれたのも印象的でした。
場が和んできたところで、座談会タイムへ。
・自分にとってのJ-beautyの魅力は何か?
・普段、SNSのフォロワーから寄せられる質問やニーズ
・今後の「J-beauty Hunt」の活動への期待や提案
という3つのテーマを軸にさらにトークを深めました。
J-beautyへの評価ではやはり、肌へのやさしさ、品質への安心感などが魅力として挙がりました。UVカット機能のアイテムを愛用しているという参加者たちも。

一方で、日本人とは肌質や髪質の異なる海外の人たちが、日本の商品を使う上でのリアルな悩みも聞かれました。
「私のようにヨーロッパの北の地域の女性にとっては、日本の水や湿気が自分の髪質に合いにくい。なので、ヘアケアアイテム選びにはかなり気をつかっています」
「日本のメイクアップアイテムはナチュラルな色づきの商品が多いので、自分に合う濃い目の色のチークやリップを探すのが大変なんです」
SNSのフォロワーからも、「自分の肌質/髪質でも使える?」といった質問がよく寄せられるそう。自分に合った化粧品が見つかる、というのは1つのキーワードになりそうです。
また、海外フォロワーならではの質問が、「その商品は、クルエルティーフリー(動物実験をしていないこと)や、ヴィーガンに対応してますか?」というもの。日本のブランドがグローバル市場にチャレンジするなら、こうした海外のスタンダードについてもキャッチアップしていくことが大切と言えそうです。
今後のコミュニティ活動についても意見を出し合いました。

「メーカー担当者へのインタビューや工場見学など、商品開発の裏側についてもっと知りたいです」
「日本の最新の肌診断やパーソナルカラー診断を体験して紹介するのも面白そう」「アンバサダーたちのみんなでドラッグストアに出かけてショッピングする様子をYouTube動画にするのはどう?インバウンドのお客さんも興味があるはず」
などなど、自由なアイデアが飛び出しました。
イベントの最後には、日本商品のセットを、オリジナルのピンクのエコバッグに詰めてアンバサダーたちにプレゼント。記念撮影で締めくくりました。
参加者のKatieさんは、今回参加した感想を次のように話してくれました。
「実は、『日本のブランドもこういう商品を出しているんだ』と初めて知ったり、新たな発見がたくさんありました。自分と同じようなインターナショナルの人たち同士で顔を合わせて、好きなJ-beautyについて話せたこともとても良かったです」

「J-beauty Hunt」についてはもともと、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くCosme Hunt Inc. が、日本ブランドのアメリカ市場進出・拡販のサポートの一環として、「Cosme Hunt」という名称で活動していましたが、SNS等のメディア名を「J-beauty Hunt」へと一新。さらなるJ-beautyの発信強化に向けリブランディングを実施しました。
「J-beauty Hunt」の新たなタグライン、「unfiltered J-beauty, straight from TOKYO」に込めたのは、日本のありのままの情報を伝えたい、という想いです。海外の人たちに現在届いているJ-beautyの情報は、リアルトレンドとは微妙にズレていたり、古い内容だったりと、国内とはまだまだ温度差があるとのこと。こうした環境を整えていくことが、日本ブランドの海外進出やインバウンド需要の活性化にもつながると考えています。
今回のイベントは、まさにそのための第一歩。トレンダーズのampule事業部代表である飯田安紗美氏は、今後の展開についてこうコメントしています。

「こうしたイベントは初の試みでしたが、インフルエンサーさんたちのリアルな意見が聞けて大変参考になりました。自分の肌色や肌質に合った商品になかなか出会えないというお話があり、従来の商品提案についての課題も感じました。ただ、それは裏を返せば、海外の方々が求める情報をきちんと選び出して届けることができれば、市場はもっと広がるということ。今後もより良いコミュニケーションを模索しながら、日本のブランドさんたちとともに、世界への挑戦を続けていきたいと思います」
「J-beauty Hunt」では今後、アンバサダーだけではなくコミュニティ会員を増やし、今回のイベント含めコミュニティ会員と一緒にJ-beautyの魅力を世界へ発信する取り組みを増やしていく予定です。
写真/大内カオリ
取材・文/Kumiko
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