Insight
本調査は2022年8月発行『ampule magazine Vol.04』から抜粋したものです。
該当記事および該当誌全編は、ampule magazine電子版のバックナンバーよりご覧ください。
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ampule magazine Vol.04「Z世代からみた世界とBeauty」
コロナ禍に多感な時期を過ごし、未来の消費とトレンドを牽引する「Z世代」。SNSを駆使した情報収集や評判を重視する購買傾向、「自分らしさ」を追求する価値観など、彼らの美容に対する意識を徹底調査しました。 さらに、当事者であるZ世代の起業家やクリエイター、ギャルマインド伝道師など、4名のイノベーターへのインタビューから、「Z世代の今」に迫ります。
<調査概要>
トレンダーズ調べ
調査期間:2022年5月9日~25日
調査対象:美容への関心が高い方だと回答した15~24歳男女601名
調査方法:インターネット調査
SNSトレンドで大きな存在感を放つZ世代の動向や価値観を探るべく、
美容に関心のあるZ世代601名に調査を実施した。
※3,947名に対し行った事前調査では、男性のうち30%が美容関心度<高> と回答!
5人に1人はTikTokで美容の情報を収集
※複数回答/上位回答5つ(n=601)
1位:Instagram(スキンケア:60%、メイク:60%)
2位:YouTube(スキンケア:36%、メイク:36%)
3位:Tiwtter(スキンケア:33%、メイク:30%)
4位:TikTok(スキンケア:22%、メイク:21%)
5位:店頭(スキンケア:17%、メイク:17%)
<リサーチャーコメント>
4大SNSが中心となった美容の購買に関する情報収集源の中で、とくに注目すべきはTikTokだ。Z世代の美容関心層のうち5人に1人はTikTokで情報収集をしているということに。ちなみampule magazine Vo.01で20〜40代男女を対象に実施した調査(2021年5月実施)では、美容の情報収集源にTikTokを使うと回答したのはたったの5%。Z世代の20%と比べると大きな差がある。
プチプラもデパコスも選択肢に! 成分や購入チャネルも重視
※単一回答(n=601)
<スキンケア商品>
1,000円未満:18%
1,000円~5,000円未満:33%
5,000円~1万円未満:21%
1万円~5万円未満:21%
5万円~10万円未満:5%
10万円以上:2%
<メイク商品>
1,000円未満:22%
1,000円~5,000円未満:29%
5,000円~1万円未満:22%
1万円~5万円未満:20%
5万円~10万円未満:5%
10万円以上:2%
<リサーチャーコメント>
美容アイテムの購入にかける金額は、全体的にバラつきのある結果に。SNSで美容の情報収集するこ
とがあたり前の世代。従来であれば情報が得にくかった高価格帯アイテムも簡単に知ることができ、
プチプラアイテムと横並びで比較されることも珍しくない。「値段に関係なく、SNSで評判なら買う」というのが、Z世代の美容購買傾向としてうかがえる。
※複数回答(n=601)
<スキンケア>
1位:自分の肌に合っている(65%)
2位:効果・効能(47%)
3位:価格(35%)
4位:SNSでの評判(30%)
5位:配合成分/購入のしやすさ(20% ※同率)
<メイク>
1位:自分の肌に合っている ※パーソナルカラー含む(56%)
2位:発色や仕上がりがイメージ通り(40%)
3位:価格(34%)
4位:SNSでの評判(30%)
5位:肌に優しい(30%)
<リサーチャーコメント>
スキンケアは「配合成分」と「購入のしやすさ」がランクインしているのが特徴。Z世代に人気
の韓国コスメはキーとなる成分を押し出したものが多い。また通販サイトを駆使して海外コス
メを買うこともいとわない世代ゆえに、購入のしやすさは当然重要だ。メイクは「発色がいいも
の」と「肌にやさしい」のどちらも重視。攻めも守りもどちらも求めるというのが、SNSの評判チェックで見る目の肥えたZ世代の特徴だといえる。
「地球やみんなにとっての美容」を意識
※単一回答(n=601)
はい:57%
▶「はい」と答えた人のうち…
<最も取り組みたいと思うもの>(単一回答 n=342)
1位:環境にやさしい商品・ブランドを選びたい(36%)
2位:ゴミ削減に取り組む商品・ブランドを選びたい(21%)
3位:多様性を感じる商品・ブランドを選びたい(14%)
\こんな意見も!/
環境配慮やジェンダーへの観点からみると、選びにくい商品がまだまだ多いと感じる。売り場は確かにキラキラしていてテンションは上がるけれど、それだけでいいのかと思うことがよくある。ただ、少しずつ、ジェンダーフリーや環境配慮の商品が増えてきているので、もっと増えて、価格帯も豊富になっていくとうれしい。(19歳)
<リサーチャーコメント>
SDGsへの関心が高いといわれるZ世代。教育カリキュラムにSDGsに関する授業が組み込まれはじ
めたことが大きな要因のようだ。これからの世代は、消費活動も含めた具体的な行動で社会貢献を
していくことが期待されている。美容業界としても、意識の高いZ世代に対して様々な選択肢を提供していく必要があるのではないか。
「自分らしさ」を追求するZ世代の価値観
※複数回答(n=445)
※単一回答/上位回答5つ(n=551)
<リサーチャーコメント>
全体的に「従来の価値観に捉われずに美容を楽しみたい」という意識が見て取れ、美容をポジティブに捉えている意見が目立つ。裏を返せば、美容マーケティングでもそういったコミュニケーションが求められているといえる。「○○に注意!」、「○○を隠せ!」といった恐怖訴求はZ世代にマッチしづらい可能性もある。
Z世代がいま注目する美容ブランドは?
※複数回答/上位回答3つ(n=414)
<リサーチャーコメント>
SNSでたびたび話題になる「キャンメイク」が票を集めたものの、回答全体で見ると韓国ブランドに集中している。日本の美容ブランドに対する不満としてあがった3点は、そのまま韓国ブランドが
人気を得ている理由として頻繁に語られる「低価格」、「バリエーションの豊富さ」、「パッケージのかわいさ」とちょうど対照的だ。