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本調査は2021年11月発行『ampule magazine Vol.02』から抜粋したものです。
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ampule magazine Vol.02「『成分』から変わる、J-Beautyの未来」
「『成分』から変わる、J-Beautyの未来」。生活者へのアンケートだけでなく、スキンフルエンサーやスキンケアブランド、医師や専門家などへのインタビューから、化粧品成分の「今」と「これから」を考えます。
<調査概要>
トレンダーズ調べ
調査期間:2021年8月20日~9月8日
調査対象:20~40代女性1103名 年代均等割付(日本:603名、韓国500名)
調査方法:インターネット調査
化粧品は化学技術の結晶だ。成分や処方といった技術的な話になると、取っつきづらく感じる生活者も少なくないだろうが、実際のところ、どこまで理解が及んでいるのだろうか。「成分」にテーマを絞り、アンケート調査を実施した。また「美容先進国」とも称されるお隣、韓国ではどうなのか?日韓の調査結果を比較することで、両国のスキンケアに対する考え方の違いを分析した。
※「配合目的をおおよそ理解またはそれ以上に理解している」の回答を認知していると定義
<日本>
ビタミンC:47.4%
コラーゲン:45.9%
ヒアルロン酸:43.8%
ビタミンC誘導体:35.8%
アミノ酸:34.8%
<韓国>
コラーゲン:86.6%
ビタミンC:84.4%
ヒアルロン酸:74.8%
プロポリス:73.4%
アミノ酸:59.8%
※該当成分を知っている回答者に絞ったうえで、「入っている場合は購入の決め手になる」の回答を人気があると定義
<日本>
ビタミンC誘導体:15.7%
ビタミンC:13.4%
プラセンタエキス:12.9%
セラミド:11.8%
ヒアルロン酸:11.5%
<韓国>
シカ:33.0%
コラーゲン:29.8%
ヒアルロン酸:28.2%
ビタミンC:25.6%
レチノール(ビタミンA):22.0%
韓国では気になる商品があれば、買う前にまず美容アプリで成分をチェックするのが当たり前だという。「シカ」の人気に関しては、肌を鎮静させ、外的刺激に強い肌づくりをしたいという韓国人のニーズがあり、PM2.5など深刻な大気汚染が肌に悪影響を及ぼすためと言われる。こういった事情が、サステナブル意識の高さにも繋がっているのかもしれない。今回の調査でも「皮膚バリアの強化」の関心は日本より遙かに高かった。同様に際立っていたのが「エイジングケア」への関心の高さだ。アーリーアンチエイジングが叫ばれ始めていることは、ampule magazine vo.1でも紹介した通り。総じて韓国は、できるだけベストに近い状態を維持しようという予防的な考えが強いようだ。対して日本は、ビタミンC誘導体、ビタミンCが人気の2トップで、「保湿」、「毛穴ケア」、「美白」、「シミ改善」への関心が高い。韓国に比べると、日本のスキンケア志向は「肌にマイナスが発生した時にどう対処するか」という視点が強いと感じる。しかし当然ホームケアでできることは限定的で、場合によっては治療が必要なこともある。成分への関心の低さが、スキンケアへの期待を誇大にしている可能性は否めない。
トレンダーズ株式会社
プランナー/SNSアナリスト 佐藤 由紀奈
WEBプロダクションでのコンテンツプランナーを経て、2014年にトレンダーズ株式会社に入社。現在はコミュニケーションプランナーとして食品・化粧品をはじめとする幅広い業界のマーケティング支援を行っており、生活者インサイトやSNSトレンドの 分析を得意とする。